雨が降ると君は優しい
雨が降ると君は優しいとは
野島伸司が「セックス依存症」を題材に”本当に描きたいドラマ”を描いた!
玉山鉄二と佐々木希が夫婦の”悲劇的純愛”に挑む
映像化不可能と目されていた小説を初実写化した尾野真千子主演のサイコサスペンス『フジコ』(’15)、ハリウッド監督が製作総指揮を務めた渡辺麻友(AKB48)×宮脇咲良(HKT48)のW主演ホラーサスペンス『CROW’S BLOOD』(’16)、そして日米同時配信もされて高評価を得た小栗旬主演のクライムサスペンス『代償』(’16)――。“地上波のドラマでは決して味わえない、刺激的で心に響く物語”を次々と制作して視聴者をうならせてきたHuluが、この秋、最新オリジナル連続ドラマ『雨が降ると君は優しい』を世に放つ! 脚本を務めるのは鬼才・野島伸司。『高校教師』(’93)、『家なき子』(’94)を始め、数多くの衝撃作を生み出して社会現象を巻き起こしてきた野島が、Huluと初タッグを組む!
『雨が降ると君は優しい』は、野島が「本当に描きたいドラマ」を形にするべく、3年もの歳月をかけて丁寧に紡ぎ出した作品だ。この渾身の最新作の題材として野島が選んだのは、“男女の間に横たわる究極のカセ”…地上波作品では描くことが極めて困難な「セックス依存症」!その呼称と症状から好奇の目で見られがちだが、実は「性嗜好障害」という病気の一つで、患者ひとりの力では到底抗えない深刻な心のエラーである。本作で野島は、心から愛し合いながらも“妻のセックス依存症”という究極の試練を与えられた新婚夫婦を中心に、“心の闇を抱えた男女らの愛と憎しみが交錯する群像劇”を描写した。心のひだをすくい取る繊細さ、胸をえぐる鋭さを、すべてを包み込むような詩的で優しい描写と巧みに共鳴させながら、観る者を、狂おしくも切ない愛の世界へといざなう――。
かつてない難役!玉山鉄二が愛に苦悩する夫を、佐々木希がセックス依存症の妻を熱演
主人公・立木信夫を演じるのは、連続ドラマ『薔薇のない花屋』(’08)以来、野島作品への挑戦は2度目となる玉山鉄二。実力派がひしめきあう30代俳優の中でも、その精細な演技が群を抜く、目が離せない存在だ。NHK連続テレビ小説『マッサン』(’14~’15)では“ストレートな夫婦の純愛”を演じ切り、世の喝采を浴びた。彼が今作では、まったく違う形の純愛を表現する! 玉山が今回演じるのは、一途に愛する妻がセックス依存症だと知り、計り知れない苦悩にさいなまれていく夫。その身を切られるような精神状態、愛という名の両刃の剣の痛みは、玉山をもってしても表現に腐心することは想像に難くない。そんな難役に、覚悟をもって挑む玉山。魂の叫びとも言えるその演技は、確かな愛を求める女性たちの心を捕まえて離さないだろう。
そして、信夫の妻・立木彩を演じるのは、佐々木希。野島作品への挑戦は今回が初となる。今年4月に結婚し新妻となった彼女が、本作でも新婚の妻を演じる! しかも、ただの新妻ではない。今回、彼女に与えられた役どころは…心の底から夫を愛しながらも、不特定多数の男に抱かれずにはいられないセックス依存症の妻!その想像を絶する心理状態を体現するには、深い洞察と理解に基づいた豊かな表現が必要となる。表面的な解釈では太刀打ちできないこの難役を、佐々木はどのようにして自分自身の中に落とし込み、体現していくのか…。初共演となる玉山と痺れるような感情を通わせ合いながら、佐々木は、身も心も捧げる演技で、女優としての新境地を切り拓いていく!
陣内孝則、木村多江、古谷一行、奥菜恵、笛木優子ら実力派俳優が終結!
上質かつ深遠な”愛と憎しみが交錯する群像劇”を深く繊細な演技で彩る
心から愛し合いながらも“妻のセックス依存症性(性嗜好障害の一つ)”という究極の試練を与えられた新婚夫婦、立木信夫(玉山鉄二)と立木彩(佐々木希)を中心に、“心の闇を抱えた男女らの愛と憎しみが交錯する群像劇”を切なく鋭く描く『雨が降ると君は優しい』。数々の社会現象を巻き起こしてきた鬼才・野島伸司の最新オリジナルドラマとなる本作は、地上波作品では描くことが困難なそのテーマ性も相まって、早くも大きな話題を呼んでいる。この話題作で玉山と佐々木を囲む主要キャストが、このたび情報解禁となった。なんと、『愛しあってるかい!』(’89年)以来28年ぶりに野島作品に挑む陣内孝則をはじめ、木村多江、古谷一行(特別出演)、奥菜恵、笛木優子ら豪華出演者が集結! “上質かつ深遠な大人の群像劇”である本作にふさわしい、十全なキャリアと実力を誇る顔ぶれだ。本作で、陣内は、アルコール依存に陥った文芸誌の編集長・倉田和馬を、木村は、倉田と依存症の治療を発端に恋人関係にあって彩のカウンセリングを担当する臨床心理士・小早川志保を、奥菜は、公私ともに親しい関係にある信夫と彩にも言えない秘密を抱えるファッション誌編集長・新城玲子を、笛木は、最後に視聴者をあっと驚かせる謎めいた流行作家・雫石奈美を、そして古谷は、女性編集者を次々と食い物にしてきたと噂される怪しげな大物作家・小野田史郎を演じる。いずれも一筋縄ではいかない役どころだ。彼らは皆その感性を研ぎ澄まさせ、繊細かつ深みある演技で、“人には言えない秘密や心の闇を抱えた男女”を見事に立体化! 彼らの存在によって、物語が進むにつれ奥行きを増していく大人の群像劇から目が離せない!
信夫と彩の夫婦を取り巻く個性的な登場人物たちによって、物語は、予想しえない衝撃の展開へと深化していく。
雨が降ると君は優しいの予告動画は、こちら
雨が降ると君は優しいのあらすじ ネタバレ
【Huluオリジナル連続ドラマ】妻が不特定多数の男と体の関係を持ってしまう“心の病”だと知ったとき、夫は妻を、それでも愛しぬくことができるのか…!? 玉山鉄二が一途な愛ゆえに悩める夫を、佐々木希がセックス依存症に苦しむ妻を演じる。
第1話
出版社に勤める立木信夫(玉山鉄二)は、上司の倉田和馬(陣内孝則)から創刊を控えた月刊文芸誌『ストーリーファイル』の副編集長に任じられる。多忙を極め郊外に買った家にはなかなか帰れないが、妻の彩(佐々木希)とは深く愛し合い、仲睦まじい夫婦生活を送っていた。だが、彩には信夫には想像もつかない“秘密”があった。彼女はなんと、性嗜好障害の一つである“セックス依存症”に陥っていたのだ! 眩しく晴れた暑い日には抗えない衝動を覚え、不特定多数の男と肉体関係を持ってしまう彩…。信夫を心から愛するがゆえに、そんな自分に激しい嫌悪感を覚え苦しむ彼女は、意を決して著名なカウンセラー・小早川志保(木村多江)のもとを訪れる。彩は信夫には内緒で、なんとか障害を克服しようとするのだが…。
第2話
立木彩(佐々木希)は夫・信夫(玉山鉄二)を深く愛しながらも、またも抗えない衝動を覚え、出会い系サイトで知り合った男と待ち合わせる。ところが顔を合わせた瞬間、2人は互いに言葉を失う。あろうことか、男は信夫の同僚・望月俊介(吉田ウーロン太)だったのだ! 彩は動揺し、思わずその場から逃げ出してしまい…。望月はたまらず、信夫と彩を知る同僚たちにこっそり、どう対処すべきか相談する。しかし、これが後に、とんでもない事態を招いてしまう。
一方、彩は過去に出会い系サイトで会った男に待ち伏せされ、改めて関係を迫られる…。
そして、信夫を地獄に突き落すような事件が起こってしまう――!
第3話
一度限りの肉体関係を持った男につきまとわれ、襲われそうになった妻・彩(佐々木希)を、間一髪で救出した立木信夫(玉山鉄二)。愛してやまない妻が、自分以外の男と関係を持っていた――。あるわけがないと信じていた残酷な事実を、突きつけられた信夫は、激しいショックを受ける。だが、彼は圧倒的な自己抑制でこみ上げる感情をひた隠し、冷静な素振りで彩と接し続ける…。彩から一部始終を聞いたカウンセラーの小早川志保(木村多江)は信夫の対応に面食らいながらも、彼が離婚話を切り出す可能性を告げる。ところが、彩からは意外な答えが返ってきて…。
その夜、彩は信夫に、自分がセックス依存症で苦しんでいることを打ち明けようとする。だが、信夫はその言葉を遮り続けて…!?
第4話
立木信夫(玉山鉄二)は妻・彩(佐々木希)とともに、小早川志保(木村多江)のカウンセリングを受けることを決意する。専門家である志保が、彩はセックス依存症だと診断していると知った信夫は、「病気なら仕方ない」と安堵の笑みを浮かべて、志保を驚かせる。だが、その言葉とは裏腹に、帰宅した信夫はいつものようには彩を抱くことができず…。
そんな折、親身になってくれるファッション誌の編集長・新城玲子(奥菜恵)の勧めでモデル活動を再開した彩は、撮影現場へ。ところが、そこでとんでもない事件が起こってしまう!
一方、信夫は編集部の後輩・平川百合(奈緒)と一緒にバーへ。すっかり酔っ払ってしまった百合を介抱し、一人暮らしの家まで送り届けるが…!?
第5話
セックス依存症の妻・彩(佐々木希)がまたも他の男と関係を持ったと知った立木信夫(玉山鉄二)は思わずカッとなり、彩に暴力を振るってしまう。我に返り、ひどく後悔した信夫は、カウンセラー・小早川志保(木村多江)にその苦悩を告白する。アルコール依存症を克服できない恋人・倉田和馬(陣内孝則)に失望や怒りを感じてしまうことがある志保は信夫に理解を示し、彩とは少し離れた方がいい、と助言する。だが、この一言が信夫と彩の夫婦関係を揺るがす事態へと発展する…!?
一方、大物作家・小野田史郎(古谷一行)に気に入られあやしげな関係になった新人編集者・平川百合(奈緒)は、自殺した母と小野田の“知られざる関係性”を確信し、小野田にある申し出をする――。
第6話
妻・彩(佐々木希)が実家に戻ってしまった。立木信夫(玉山鉄二)は彩と話をしたいが、彩の父・加藤芳丈(升毅)と母・凪子(岡田奈々)は、信夫が暴力を振るったと断固娘との面会を拒否する。だが信夫は、暴力のきっかけが彩の不特定な男関係にあるとは、どうしても言えずに…。一方、彩に催眠療法を施したカウンセラー・小早川志保(木村多江)は、記憶から葬り去られていた彼女の”辛い過去”を掘り起こす。
妊娠がわかった彩はそれが信夫の子だと確信するが、事実を隠して夫に離婚を切り出す。愛する妻の決断に激しく動揺する信夫。志保はそんな彼に、“別れを受け入れるべき”と強く促す…。
その頃、信夫の後輩・平川百合(奈緒)は、亡き母が家庭を捨ててまで大物作家・小野田史郎(古谷一行)に心酔した想いを理解し、同じように、自らも小野田に尊敬のまなざしを向けていく…!?
第7話
妻・彩(佐々木希)が無事に女児を出産した。もしかしたら自分の子ではないかもしれない――そんな疑念は葬り去る覚悟を決め、立木信夫(玉山鉄二)は彩と娘を笑顔で受け入れる。一方、彩も日々育児に没頭し、夫婦は平穏な日々を取り戻す。ところがそんなある日、信夫の同僚・望月俊介(吉田ウーロン太)が出会い系サイトで、かつて彩が使っていたハンドルネームを再び発見! それを知った信夫は平静を装いながらも、激しく胸がざわめいて…。
一方、大物作家・小野田史郎(古谷一行)の担当編集・平川百合(奈緒)にも異変が。ほとんど出社せず小野田邸に泊まり込んでいた百合だったが、突如、今や専務となった父・倉田和馬(陣内孝則)に退職願を提出したのだ! 血相を変えて小野田邸へと乗り込んでいく倉田、だが、これがとんでもない事態を引き起こす…!
最終話
立木信夫(玉山鉄二)はラブホテルから出てきた妻・彩(佐々木希)を目撃。これほどまでに愛を注いでも、妻のセックス依存症は治っていなかった。事実に打ちのめされ、信夫の心はついに崩壊してしまう。しかし、そんな信夫を見た彩は、なぜだか顔をほころばせて…!? 直後、彩はカウンセラー・小早川志保(木村多江)のもとにまだ幼い娘を置き去りにして、姿を消してしまう!
その頃、心配する父・倉田和馬(陣内孝則)を拒絶し、恍惚のまなざしで大物作家・小野田史郎(古谷一行)を選んだ平川百合(奈緒)は、“儀式”と称した禁秘の行為を要求されていた。そんな百合に、さらに恐ろしい“魔の手”が忍び寄り…!
一方、信夫は、ふとした娘の言葉から、彩の口からは聞かされることのなかった“秘密”を知ることになる。そしてこの“秘密”が、信夫に最後にして最大の決断をさせる――!
雨が降ると君は優しいの作品概要
監督/演出
原作/脚本
雨が降ると君は優しいのキャスト紹介
雨が降ると君は優しいの感想
Huluオリジナルストーリーで配信中のドラマ「雨が降ると君は優しい」
「家なき子」「一つ屋根の下」などの有名ドラマを手掛けた野島伸司が脚本を担当した注目の作品です。
流行作家である雫石奈美(苗木優子)の語りから始まります。
立木信夫(玉山鉄二)は出版社の編集部で忙しく働くサラリーマン。元人気読者モデルの彩(佐々木希)と結婚し、忙しく働くが日々幸せに過ごしていた。
しかし彩は秘密を抱えていた。
人気カウンセラーである小早川(木村多江)のクリニックに足を運び告白する。
「私・・・私がムカデになるんです!」
小早川と口論になり、苛立ちを込めてそう叫ぶ彩。え、急に何で怒ってるの?どういう意味?しかしそれはすぐにわかりました。介護の仕事中、老人を入浴させている彩。すると急にムカデの足が。どきりとする彩。身体を這うようにムズムズが襲ってきて、私がムカデになってしまう。
依存症ってこうやって急に現れるんだなと、恐ろしさがわかる一瞬です。
愛する妻の為に毎日忙しく働き、時には人気ベストセラー・河野(柾木玲弥)に理不尽な仕打ちを受け、帰宅できない日も・・・そんな日もこまめに連絡は欠かさず、久しぶりの帰宅にはバラの花束を用意する。なんていい旦那さんなんだ・・・
第一話の最後で、ついに初めて二人が顔を合わせているシーン。
ノブと夕食を楽しむ彩の満面の笑み・・・胸の中では彩はずっと苦しんでいる。そんな苦しみを隠している笑顔で信夫に接する彩。
初めて笑顔を見せた彩のこのシーンは逆に胸が苦しくなりました。
そして愛し合う二人。
赤という字を見て。人が泣いているように見えるでしょう。そういって小早川は赤という字を彩に見せた。
そんな彩は毎回赤いドレスをまとい男を求める。夫を愛しているんです、と苦しみカウンセリングに通いながら。
とにかく佐々木希が美しい!涙を見せるシーン、笑顔のシーン。赤いドレスを着て男の元に向かうシーンでは、悪いことをしているがやめられない・・・そんな苦悩が表情に現れていて、こんな演技が出来るんだとビックリ。
彩と信夫だけでなく、第一話では平川(奈緒)の原稿を盗んだ倉田(陣内孝則)、その平川を脅し、裸になれと命じた小野田(古谷一行)の関係も気になります。
今回フューチャーされている「セックス依存症」。
彩の場合、夫の愛もあり、セックスレスというわけではなく夜の生活もある。郊外ではあるが彩も気に入っているという家がある。
何不自由ない生活を送っている彩・・・そんなキャラクター像だからこそ、逆に依存症の恐ろしさを引き立てています。今後の展開から目が離せません!
セックス依存症を抱え、出会い系で男を求める彩(佐々木希)と、その事実を知り苦しみながらも彩を愛し支えようとする信夫(玉山鉄二)。
人気カウンセラーである小早川(木村多江)の元に通い、夫を愛しているのに・・・と苦しみ続ける彩。依存という障害を抱え、周りの人間の愛憎の渦に巻き込まれながら二人がどうなっていくのかと引き込まれていくドラマです。
このドラマを通じて強く感じるのは、彩と信夫がお互いを思いあう強い愛です。強い気持ちゆえに拗れてしまい、時には憎しみに。ストレートに涙なしでは見られなかったシーンが何度も何度もあり、涙腺がどうにかなってしまうんじゃないかと思いました。
今回は特に涙なしでは見られない、物語が大きく動いたシーンをご紹介したいと思います。
この二人は様々な人間に好意を向けられています。例えば、部下である平川(奈緒)。
その平川にベットに誘われた信夫。平川は、彩がセックス依存症であることを知らず「奥さん浮気したんでしょ、最低じゃない。」と信夫にとってきつい言葉を浴びせます。
「だからって、俺にも最低になれっていうの?」
激高し強く突き放し家に帰る信夫。
笑顔で信夫の隣に寄り添う彩に言います。「何人の男と寝たの?」
彩の首を絞めながら、涙を流し震えた声で信夫は懇願する。「愛とセックスは無関係だって、そういってくれないか・・・」抵抗せず、涙を流しながらその行為を受け入れる彩・・・
その次の日、彩は赤いワンピースを身にまとい他の男に抱かれに行ってしまう。もうそれを彩は隠そうとしなかった。いえ、したくなかったんだと思います。ごめんなさい、ごめんなさいと震えながら信夫に謝る彩をネクタイで強く縛りつけ、もう外に出るなと激高する信夫。
視聴者に、信夫の彩への愛を確認させた後の、この強烈なシーン。
彩にとっては、依存症に負けてしまっている間の自分は「自分じゃない」んです。以前、出会い系で会ったストーカーに襲われた時、抵抗しながらそう叫んでいました。
彩が震えながら部屋の隅で縮こまる姿。それはまさに、自分じゃない自分に怯えている姿でした。
そんな彩に対する愛の行き場がどうしようもなくなり暴力になってしまったこと。
二人のすれ違いに涙が溢れて止まらなくなりました。
そのすれ違いは周囲の人間を巻き込み最悪な展開に・・・
愛しているから別れようと泣きながら告げる彩・・・嘘だろと信夫は泣きながら抵抗するが・・・
セックス依存症という言葉と、結婚という言葉。正直結びつかないですよね。結婚とは貞操を守るものですから。
その矛盾を第一話から堂々と抱えて始まったのがこのドラマ。愛憎劇にも拘らず、様々な伏線が張り巡らされて収束していく展開には快感を覚え、さすが野島伸司と言わざるを得ません。
果たして、二人の愛の行方は。セックス依存症を抱えながらも結婚した彩は今後どうなっていくのでしょうか。
雨が降ると君は優しいで描かれているもう一つの依存症
セックス依存症を抱え、出会い系で男を求める彩(佐々木希)と、その事実を知り苦しみながらも彩を愛し支えようとする信夫(玉山鉄二)。二人の関係を中心に描かれる人間の愛、欲望の渦に視聴者側はぐんぐん引き込まれ、気づいたら画面にへばりついてしまっているような・・・そんなドラマです。
このドラマでは、彩のセックス依存症だけではなく、倉田(陣内孝則)を中心にアルコール依存症への恐ろしさも描かれていきます。日本では、性嗜好障害・・・つまり、セックス依存症ははっきり認知されていません。しかし、アルコール依存症はWHO(世界保健機構)で認められている病気です。
セックス依存症よりもアルコール依存症のほうが想像がつく分、恐ろしさをより身近に感じます。
パートナーである小早川(木村多江)が、「好きなだけ飲めばいい。ただし、飲んだならお別れだ」とウィスキーの瓶を突き出す。その瓶をシンクに流し、「愛している」という倉田。涙を流しその背に抱き着く小早川。
愛は人を変えるのだなあと感心したのもつかの間。倉田は酒の場で作家に煽られます。
「人は簡単に傷つけるのに、自分は医者に止められているからと酒は飲めないのか。」
その言葉に激高し、ウィスキーを煽り・・・
小早川はその姿を見て失望します。「一瞬で台無しにする・・何度も見た。」
しかし・・・倉田は仕事の為なら娘ですら作家に差し出すような男です。同じく編集で働く娘、平川(奈緒)の原稿を盗んだと笑う倉田。娘の担当作家は、女好きだが心臓に爆弾を抱えている。娘を抱こうとすれば爆弾が爆発し天国行きだと。
そんな倉田の思惑に反し、娘は担当である作家小野田(古谷一行)の前で服を脱いでいた・・・
父親としては終わっていますね・・・原稿を盗んだと笑う倉田に憤りを覚えました。しかし、言い返せばそれだけ仕事熱心だということでしょう。
酒を飲み倒れている間、何度も小早川の名前を呼んでいたという信夫。それだけ、胸の中では小早川が存在しているという証拠です。
幻滅する小早川を懸命に説得する信夫。編集長はとても魅力的な人間だと・・・
ある日偶然、信夫の妻がセックス依存症だと知る倉田。仕事に対しては冷酷さを何度も見せてきた倉田が初めて理解を示します。「依存症、辛いだろうな」と。
倉田は度々手は震え、酒におぼれて自暴自棄になっている自分が何度もフラッシュバックします。
それまで、何度も打ち上げのシーンがありました。酒の会でもジュースを飲み、酒に耐えるような姿は見られなかったのに・・・たった一度、されど一度ですね。
そして、倉田はウィスキーの瓶に手を伸ばしてしまい・・・
俺はもう半分以上おかしくなってしまっているんだと泣きながら叫ぶ倉田に、でも半分はまともでしょと悲痛に叫ぶ平川。
苦しむ倉田にはきちんと支えてくれる愛する人間がいます。果たして、倉田のアルコール依存症は治るのでしょうか。
彩と信夫の関係の裏で描かれるもう一つの苦しみのストーリー。
真実の愛を貫こうと苦しむ主人公に対し、倉田はいい意味でも悪い意味でも人間臭く、このドラマの中でも一番身近に感じるキャラクターでした。
その倉田を愛する小早川は、カウンセラーという職業病からなんでも心理を分析してしまい、
時には彩や信夫の愛を心理的に分析し、冷たい言葉を浴びせます。何でカウンセラーなのにそんなこと言うの?というシーンもあり、視聴者に怒りを抱かせることも。
しかし、それが故に素直に他人の感情を受け止められず、倉田の愛しているという言葉を素直に受け入れられず苦しんでいる姿は非常にもどかしく感じました。
アルコール依存症の苦しみに共感するだけでなく、その人間を愛し同じように苦しんでいる人々の胸を打つ作品になっています。
雨が降ると君は優しいの動画が見れるサイトは?
「独占配信」カテゴリーの関連記事